卵アレルギーは、主に鶏卵の白身にふくまれるタンパク質が原因となるアレルギー症状です。

「卵白アルブミン」や「オボムコイド」と呼ばれるアレルゲン(原因物質)によって発症し、多くの場合はアトピー性皮膚炎や喘息などの症状が現れますが、症状の度合いには個人差があり、とくに強いアレルギー反応を持つ人はすぐに口の周りが赤くなったり、重篤な場合は呼吸困難を引き起こすケースもあるので注意が必要です。

原因となるアレルゲンは、熱によって減少する性質があります。

そのため生卵はもっとも危険で、温泉卵などの弱い加熱ではオボムコイドが大きく減少(10%程度になる)、長時間加熱のゆで卵などは卵白アルブミンがほぼ消滅し、オボムコイドが若干残留する程度になります。

オボムコイドは「水に溶けやすい」という性質を持ち、卵を落としたスープなどでは卵塊よりも汁のほうに1割程度のオボムコイドが溶けだすため、卵を残して飲んだとしても充分な対策とはなりません。

また、鶏卵のほかに、うずらの卵でアレルギー反応を起こす人もいます。

うずらの卵は鶏卵よりも症状が軽いのが特徴で、腸内物質トリプシンとの相性が良いため異常反応を引き起こしにくくなっているのです。

ただし、鶏卵を普通に摂取できる人でも「うずらの卵にだけ嘔吐などの症状が現れる」ようなケースがあるので、基本的には「鶏卵アレルギーとうずらの卵アレルギーは別物」と考えておく必要があるでしょう。

卵アレルギーの注意点

卵アレルギーは、普段から鶏卵を避けて生活しているような人でも「知らない間に原因物質を摂取してしまいやすい」という点に注意すべきです。

卵には旨味を感じる基となる栄養成分のアミノ酸が多く含まれており、とくに体内で生成できず食品からしか取り込めない「必須アミノ酸」がバランスよく蓄えられています。

そのため料理や加工食品の原料などで卵が使われることも多く、見た目には卵っぽさがないようなものでも「実は卵が入っていた」となりやすいのです。

プディングやクッキーといった菓子類はもちろん、マヨネーズ、小麦粉のつなぎとして使われる麺類など、身のまわりにある食品にはたくさんの卵が含まれています。

アレルギー体質の人は基本的に「外食を控えるか減らすなどすべき」ですが、ご近所付き合いなどもあるのでなかなかそうもいきません。

そこで、どうしても外で食事をしなければならないような場合には、予めインターネットや口コミなどで「卵アレルギーに配慮したメニューのあるレストラン」を調べておくとよいでしょう。

食に関するハンディキャップに苦しむ人は多いので、近年ではそうした人も安心して食事を楽しめるような配慮をするお店も増えています。

もうひとつ、卵アレルギーを発症する身近な原因として「薬などに含まれる卵由来の成分」があります。

これは「リゾチーム塩酸塩」と呼ばれる卵白から抽出した成分で、風邪薬や目薬などさまざまな医薬品に含有されているアレルゲンです。これにより「卵アレルギーを持つ患者が服用したところアレルギー症状が認められた」経緯があることから、卵アレルギー患者への処方や使用が禁止されています。

病院を受診するときには「症状にかかわらず自身が卵アレルギーであることを話しておく」、また薬を購入するにあたっては、「薬剤師に相談する」などの対処が必要です。

まとめ

美味しくて身体にも良い卵は、万能食と呼べるほど広く食べられている食品です。

しかしそのぶん、アレルギーを持つ人にとっては「危険なアレルゲンが身の回りにたくさんある」ということでもありますので、細心の注意を払いながら安全で楽しい食生活を探してみてください。